アボリジニの知恵とオーストラリア人


アボリジニ3

【ジャングルの中を歩くアボリジニの写真/出典:Jennifer Isaacs. AUSTRALIAN DREAMING 40,000 YEARS OF ABORIGINAL HISTORY-Page 193. Lansdowne Press Sydney/Auckland/London/New York】

オーストラリア人がアボリジニから習得した知恵として良く知られているものが一つあります。

それは、アボリジニが持っていた薬草に対する知識です。アボリジニは、病気や傷を治癒するのにさまざまな薬草を使っていました。この中でも手軽で、しかも豊富にあった薬草は、TEA TREE(Melaeuca Alternifolia)という植物で、この薬草の葉からとれる脂がアボリジニの間で広く使われており、この葉をつぶしたものを消毒剤として使用していました。

ティーツリー

【ティーツリーの写真/出典:ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/ティーツリー】

1920年代には、NSW州政府の科学者アーサー・ペンホールド博士が、この葉にはフェノール酸の13倍に値する抗菌作用があることを発見し、その後ペニシリンが出てくるまでオーストラリアの医療に大きく貢献しました。第二次大戦中は、このTEA TREE産業に従事している労働者は兵役を免除されたほどです。