オーストラリア専門機関が認めるカンガルー肉
【カンガルー肉の写真と各栄養評価がされている写真。出典:Macro Meats http://macromeats.com/about/nutrition/】
カンガルーの食肉としての価値は、まだ一般的に広く知られるところではありませんが、肉質の良さについてはオーストラリアの専門機関が認めるところになっています。
特に、メルボルン大学でおこなったオーストラリア先住民に対する実験・観察データによるとカンガルー肉が先住民の食生活に及ぼす影響と先住民の健康に対して、重要な関係があることが明らかにされています。
※メルボルン大学とは※
メルボルン大学は世界的に高い評価を受けているオーストラリアの大学期間です。以下、ウィキペディアの引用文:『1853年に設立され、2005年5月に創立150周年を迎えたメルボルン大学は、世界大学ランキングでもトップクラスにランクされ、同国の高等教育と研究分野において非常に重要な役割を果たしている。創立以降、計17名のノーベル賞受賞者(内、卒業生の受賞者は8名)[1] [2]や、首相3名・司法長官4名等々の歴史的人物を数多く輩出している。2005年タイムズ誌の世界大学ランキングによると、メルボルン大学はオーストラリア国内で1位、また世界ランキングで19位にランク付けされた。[3]また2010年のQS社の世界大学ランキングでは総合ランキングで世界38位、雇用者評価で世界9位にランク付けされた。[4] 医学分野では特に評価が高く、2014年タイムズ誌の世界大学ランキング(Clinical, Pre-Clinical&Health)でメルボルン大学は16位[5]にランク付けされている。』(ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/メルボルン大学)
【メルボルン大学写真。出典:ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/メルボルン大学】
オーストラリア先住民は、もともと狩猟民族でオーストラリアの原野を中心に生活していましたが、現在多くの先住民が都市部に移住しており、過去のカンガルー肉中心の食生活から俗に言われている欧米型食生活への移行が進行してきました。その結果、このように都市化された先住民の間に過去には見られなかった生活習慣病(糖尿病・肥満・動脈硬化など)が増えてきており、問題となってきています。メルボルン大学では、この原因は彼らの食生活の変化によるものと想定して実験をおこなったところ、非常に興味深い結果が得られました。
<実験の概要>
【実験テーマ】
先住民の欧米型食生活をカンガルー中心の伝統的食生活に切り替えた場合に起きる代謝機能の変化。
【実験方法】
都市部にすむ先住民(糖尿病患者10人と非糖尿病患者4人)を内陸部に移動し、食生活をカンガルー中心の伝統的食生活に変えさせ、7週間にわたって代謝機能の観察を行った。
*実験中の食事材料
1.1週目
・牛肉 75%
・カンガルー、カメ、魚、山芋、ハチミツ 25%
※1,100-1,300Kcal/日
2.2~3週目
・魚 80%
・鳥、カンガルー、ワニ 20%
※1,100-1,300Kcal/日
3.4~7週目
・カンガルー 36%
・魚 19%
・山芋 28%
・ハチミツ、鶏、いちじく、ワニ、カメ 17%
※1,200Kcal/日
【観察結果】
1.体重の減少(3~12㎏)
2.血しょうグルコース濃度の減少
(11.6±mmo1/1~6.6±0.5mmo1/1)
3.血しょうインシュリンの減少およびグルコースに対するインシュリン反応の改善
4.血しょうトリグリセロイドの大幅な減少
6.コレステロールの減少
この実験内容と論文が発表されたことで、赤身の食肉を食べることに対する重要性がオーストラリアで大きく脚光を浴びました。
その中でも、特にルーミート(カンガルー肉)の特製(低脂肪、低コレステロール、良質な脂肪酸)注目が集まり、現在ではオーストラリア心臓病財団の推奨食材として広く一般的に行きわたっています。
【オーストラリア国立心臓病財団の推奨マーク:出典 National Heart Foundation URL: http://www.heartfoundation.org.au/healthy-eating/heart-foundation-tick/pages/default.aspx】
※参考資料
MARKED IMPROVEMENT IN CARBOHYDRATE AND LIPID METABOLISM IN DIABETIC AUSTRALIAN ABORIGINES FOLLOWING TEMPORARY REVERSION TO TRADITIONAL LIFESTYLE
Dr. Kerin O’Dea
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