最初にカンガルーを食した人たち
カンガルーはオーストラリア先住民の伝統的食生活において重要な蛋白源でした。それでは先住民以外で最初にカンガルーを食べたのは誰だったのでしょうか?
【豪快にカンガルー一頭を丸焼きにして食べているアボリジニの写真。出典先:Jean-Paul Bruneteau. Tukka REAL AUSTRALIAN FOOD. Sydney Australia Angus & Robertson 1996】
やはり、クック船長のグループだったようです。1770年7月14日ジョン・ゴア少佐によって一頭が仕留められ、作られた最初の標本からクック船長は次のように記録しています。
『地方へ出かけていたゴア氏が、以前話をしていた動物の一頭を射った。それは内臓を抜いてわずか28ポンドの重さしかない小型のものだった。この動物の頭、頸、肩、は他の部分に比べて非常に小さかった。尾はほとんど体長と同長で、腰になるところで太く、先端へ行くほど細くなる。前肢の長さは8インチ、後肢は22インチ、移動は後肢だけに頼り、一跳びに7~8フィートを跳躍して行う。前肢は、移動には役立たず、土やカルシウム分をひっかくためにのみ作られているようである。野兎のようだと私は思ったが、その似ている頭と耳を除いて、この動物は私がこれまでに見たヨーロッパのどの動物にも似ていない。。・・・・・・われわれは、今日、昨日射ったこの動物を食べた。すばらしい食物だと思った。』
【ジェームズ・クック船長の写真。クックの公式肖像画 海軍博物館(ロンドン)所蔵。出典先:ウィキペディア URL https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/76/Captainjamescookportrait.jpg】
また、1802年3月22日日付のマシュー・フリンダースの探検隊の日誌では、次のように記してあります。
『・・・・今日の午後、船の乗組員は皆、カンガルーの皮はぎと、肉そぎに従事した。ほとんど新鮮な食物のない不自由な4か月を経た後だから、これは喜ばしいご馳走であった。全体の5割を占める頭、前半部および尾は、今日と後の晩餐用にスープで煮込まれた。士官も船員も昼夜食べることができるほど、たくさんの焼肉用厚切り肉も得られた。このありがたい恵みに感謝して、私はこの南の島をカンガルー島と命名した。・・・・・』
とある。
博物学者のフランソワーズ・ペロンによると、フランス人もたくさんのカンガルーを仕留め、食べたと記録が残っています。このように、オーストラリア探検時代には、多くのヨーロッパ人がカンガルーを食糧としていたことがわかっています。
【現在のオーストラリアのカンガルー料理写真。出典先:MacroMeats http://gourmetgame.com.au/recipes/thai-kangaroo-salad/】
長友信さま、ご無沙汰しております。
さかのぼって楽しく読ませていただいております。
漢字の誤りがあります。冒頭の太字になっている部分、「淡白源」となっていますが、「蛋白源」の誤りです。
修正できるなら、早めに修正することをお勧めします。
ご無沙汰しております。
誤字のご指摘、誠にありがとうございます。
修正いたしました。(お恥ずかしい限りです)
また、栄養のご専門の方に細かくお読みいただき恐縮です。
これからもルーミートについて、専門家としてのご意見を頂戴できれば幸甚です。
機会ございましたらぜひルーミートをご賞味ください。